石川安藤総合法律事務所

弁護士が解説する相続登記義務化の注意点

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弁護士が解説する相続登記義務化の注意点

弁護士が解説する相続登記義務化の注意点

2026/05/13

2024年4月から施行された相続登記の義務化により、不動産を相続した場合、遅滞なく名義変更を行うことが法律で義務付けられました。この制度の目的は、不動産の所有者情報の正確化と相続トラブルの防止にあります。義務化されたことで、相続登記を怠ると10万円以下の過料が科される可能性があるため、制度の内容を正しく理解し、適切な対応を取ることが重要です。

弁護士の視点から相続登記義務化の概要とその注意点について詳しく解説します。

目次

    ■相続登記義務化の背景 -所有者不明土地の存在-

    令和6年4月1日から施行された相続登記の義務化は、不動産の所有権移転を迅速かつ確実にするための重要な法律改正です。

    これまでは相続登記が任意とされていたため、相続が発生しても登記手続がなされず、故人名義になったままの不動産が数多く存在していました。そのため、登記簿を見ても実際の持ち主が分からない「所有者不明土地」が全国で放置されており、周辺環境の悪化を招いたり、公共工事の妨げになるなど、社会問題となっています。

    また、相続問題が発生した際、遺産にそのような不動産が含まれていると、何世代も戸籍を遡り、何十人もの相続人を探し出して手続きをしたり、調査を尽くしても所有者が見つかなかったり……といったトラブルが多く見受けられました。

    今回の義務化は、そのような問題を解決するため、相続によって生じた土地所有者の変更を遅滞なく登記簿に反映することを義務づけるものです。

    今まさに相続によって不動産を取得し、相続手続を開始しようとしている方にとって、「義務」や「過料」という文言は、負担に感じる部分もあるかもしれませんが、上記のようにとても重要な制度なのです。

    ■相続登記の義務化とは -新ルールの解説-

    それでは、実際にどのようなルールなのか見ていきましょう。

    ①まず、相続(遺言も含みます。)によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。

    「相続によって不動産を取得した」とあるので、遺産分割協議等を経て実際に不動産を取得した相続人がやればよいのでは?という勘違いが起きそうですが、「自分が相続人であり相続財産に不動産があることを知ったとき」から3年以内に登記を行う必要があるので注意が必要です。

    ②また、遺産分割が成立した場合には、これによって不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に、相続登記をしなければなりません。

    ③そして、正当な理由なくこれらの義務を違反すると、10万円以下の過料が科されることになります。

    「正当な理由」というのは、例えば、相続人が極めて多数に上り、戸籍謄本等の資料収集や他の相続人の把握に多くの時間を要するケース等が想定されています。

    ■注意点

    ここで注意すべきなのが、義務化が開始した令和6年4月1日より以前に相続が開始しているケースです。

    こういった相続も全て義務化の対象となります。

    同じく3年の猶予期間がありますが、施工から3年なので令和9年(2027年)3月31日が期限です。相続で不動産を取得したものの、まだ登記手続を行っていないという方は、お早めに手続をする必要があります。

     

    また、今回の変更で、不動産所有者の住所・氏名変更登記も義務化されるため、不動産所有者は併せて注意が必要です。 

    ■登記申請の具体的手続

    では、実際に、登記申請をしようと思った場合には、どのような手続きになるのでしょうか。

    登記申請の流れは、

     ①まず、相続人全員の戸籍謄本や遺産分割協議書などの必要書類を準備し、

     ②その後、法務局へ直接赴くか、オンラインで申請します。

    相続人が複数いる場合や、遺産分割が未了の場合は手続きが複雑になり、3カ月以内に行うことが困難であることもあります。

    その場合は、新設された相続人申請登記という簡便な手続をとることによって、義務を果たすことができるようになっています。

    この手続により過料は免れますが、こういったケースでは相続手続が複雑化し、長期に渡ることもありますので、専門家に相談する等して、早めの対応を行うことをお勧めします。

     

    不動産登記の申請手続自体は自分で行うことも可能ですし、申請の代理は司法書士に依頼することも可能です。

    しかし、相続が発生すると、複雑な問題が生じることが多々あります。法律相談が必要な場合には、お早めに弁護士にご相談ください。

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