石川安藤総合法律事務所

遺産相続における権利者のすべて

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遺産相続における権利者のすべて

遺産相続における権利者のすべて

2025/04/16

相続が発生した場合、誰が遺産を貰うことができる可能性があるのか?生前の相続対策を含めて考えてみたいと思います。

目次

    法定相続人

    相続開始により、遺産を受け取ることができるのは「相続人」です。相続人は法律にて定められており順位があります(法定相続人)

    法定相続人の種類・順位

    1 常に第一順位となる「配偶者」(夫から見て妻、妻から見て夫)。「

    2 配偶者とともに第1順位であるのが「子」。

      子が、被相続人より先に亡くなっている場合は、孫(代襲相続人)、曾孫(再代襲相続人)が第1順位の相続人になります。

    3 「子」ら卑属がいない場合には、被相続人の親など尊属。

      被相続人が若くして亡くなると、総父母が相続人となるケースがあります。

    4 卑属、尊属がいない場合には、兄弟姉妹が相続人になります。

      なお、被相続人より兄弟姉妹が先に死亡している場合には、兄弟姉妹の子(被相続人から見ると、甥・姪)が相続人になります。なお、卑属の場合と異なり、再代襲はありません。兄弟姉妹は、その他の相続人と異なり、遺留分が保証されていません。

     

     

    1 配偶者について

      法律婚をしている配偶者になります。「相続」手続きでは、内縁の妻は、配偶者にはなりません(保護されず、遺産は承継できません)。

      離婚や、年金手続きでは、内縁の妻も配偶者として保護されます(もちろん要件があります)

      「相続」手続きで、内縁の妻が保護されるのは(遺産を承継できる)、特別寄与料など、他制度によります。

     

    2 子について

      実子のほか、養子も含まれます。

      ちなみに、養子は、実両親の相続でも、養父母の相続でも相続権を有します。

      相続税申告で非課税枠を基礎づける養子の数には制限がありますが、遺産分割・遺留分侵害額請求事件等法律門問題では養子の数に制限がありません(養子縁組自体が無効になる場合を除きます)。

      (養子縁組をしていない)連れ子は、保護されません(遺産は受け取れません)。連れ子が保護されるのは(遺産を貰える)、特別寄与料など、他制度によります。

     

    受遺者

    遺言で遺贈を受けた者(受遺者)は、遺産を承継します。なお、遺贈の相手方は、個人だけでなく、法人も可能です。ただ、税務上の扱いが異なります。

     

    遺贈には「包括遺贈」と「特定遺贈」があります。

    「包括遺贈」は、財産を特定しないで、財産の全部を包括的に遺贈します。財産に対する取得割合を示してする遺贈です。包括遺贈の受遺者は「相続人」と同一の立場になります。相続人と同様に「相続放棄」「(単純・限定)承認」の対応をとることになります。そのため、放棄したい場合には、家庭裁判所の相続放棄の手続きが必要です(法定相続人の相続放棄の手続きと同じですので、家庭裁判所の手続きが必要ですし、期間制限もありますので注意が必要です)。

    「特定遺贈」は、財産を特定して行う遺贈です。いつでも、自由に放棄(受領拒絶)できます。逆に言うと、事前に、受遺者の方に事情を説明し内諾を受けておかないと、遺言者の遺志通りの財産承継が実現できません。例えば、不動産を所有している場合、不動産を単純に遺贈するという遺言もありますが、受け取ってもらいやすいように不動産を売却処分して現金を承継させる遺言(清算型遺言)も検討すべきです。

    特別縁故者

    相続法改正前から存する制度です。

    「法定相続人がいない場合」に、裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができると規定されています。

    ポイントは「法定相続人」が全くいない場合(相続人が全て相続放棄した場合を含みます)に限り認められる可能性があります。例えば、被相続人に妻子がいなかったとしても両親や兄弟姉妹といった相続人がいる場合は、特別縁故者の出番はありません。

    特別縁故者に対する相続財産の分与の請求をするためには、前提として、相続財産管理人が選任されていることを要します。

    ①相続人が不存在であることが確定した場合で、②特定受贈者や➂相続債権者への遺産を分配した後、更に、遺産が残っている場合、被相続人と生計を同じくしていた者など要件を満たした者に対して財産が分与されることがあります。認めるかどうかは裁判所判断です(審判)。相続財産管理人の意見が参考にされます。

    特別寄与料

    平成30年の法改正にて、新たに「特別寄与料」という制度が設けられました。「特別寄与料」は、被相続人の相続手続きにおいて、相続人以外の人が、被相続人のために特別に貢献した場合に遺産から払われる金銭的な報酬といえます。相続人以外の親族等が、被相続人に対して生活の援助や特別の支援を行った場合、その貢献に対して金銭的支払いを実現する制度です。例えば、長期間にわたり被相続人の面倒を見てきた場合等が考えられます。「寄与分」が相続人に認められる制度、「特別寄与料」が相続人ではない人に認められる制度ですが、特別な貢献があった場合に認められるという点では共通です。

    遺産をもらうには

    1 生前に、贈与にて財産を承継するのが最も確実です。但し、贈与税は、相続税より税率が高いという問題があります(相続時精算課税などお一定の対策は可能です)。何より、被相続人が、老後の資金を生前贈与するのは心理的抵抗が大きいかもしれません。

     

    2 法定相続人になることです(法律婚、養子)。さらに多くを貰えるよう遺言を残してもらえればなおよいです。

     

    3 遺言を作ってもらい、相続開始時に、遺贈を受けます。

      問題は、遺言は(遺言能力がある限り)何度でも書き換えられるということです。そのため、自分が知らないところで遺言が書き換えられ、何も貰えないというケースも考えられます。

     

    4 特別縁故者・特別寄与料

      1~3は生前にできる対応です。生前、何も対策をとることができなかった場合には、特別寄与料(相続人がいる場合)、特別縁故者(相続人がいない場合)の制度を利用して、遺産を承継することを目指します。

     

     

    やはり生前からの対策が重要といえます。

     

     

     

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