石川安藤総合法律事務所

法定相続人の相続分を理解する

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法定相続人の相続分を理解する

法定相続人の相続分を理解する

2025/04/04

相続に関する事件で、法定相続人及び法定相続割合を理解することは不可欠です。そこで、今回は法定相続人・法定相続割合について説明します。

目次

    法定相続人の基礎知識を知る

    「法定相続人」というように、法律で定められています。そして、法律は、相続人の順位を定めています。まずは、基本的な法定相続人・順位を理解しましょう。。

     

    ⑴配偶者がいる場合は、常に「第1順位」の相続人となります。

    ⑵配偶者以外については以下の通りとなります。

     第1順位:子(卑属)

     第2順位:尊属(通常は両親。被相続人が若い場合には尊属として祖父母が相続人となるケースがあります)

     第3順位:兄弟姉妹

    ⑶以上を整理すると、

     配偶者+子、

     (第1順位の子がいないときには)配偶者+尊属、

     (第2順位の存続もいない場合には)配偶者+兄弟姉妹が法定相続人になります。

     配偶者がいない場合には、子だけ、(子がいない場合には)尊属だけ、(第2順位の尊属もいない場合には)兄弟姉妹だけが相続人となります。

    ⑷仮に、第3順位の兄弟姉妹もいない場合にはどうなるか?相続人がいない状態になります。

     

    両親・祖父母を「尊属」といいます。血縁関係がある人(血族)のうち本人より先の世代の人を指します。尊属のうち、直系にあたる人を「直系尊属」といいます。

    これに対し、「卑属」という言葉があります。「卑属」とは、血縁関係がある人(血族)のうち本人より後の世代の人のことをいいます。 卑属のうち、直系にあたる人を「直系卑属」といいます。 たとえば、本人から見て子、孫、曾孫などが直系卑属にあたります。 養子も直系卑属となりますが、養子の子については、養子縁組のあとに生まれた場合に限られます。

     

    卑属の内「孫」が法定相続人になるケースを説明します。

    被相続人をAとします。第1順位の相続人は、配偶者と子です。しかし、Aより先に子が死亡しているケースがあります。第一順位の相続人である子が死亡していますので、第2順位の尊属が、繰り上がって相続人になるのでしょうか?いいえ、そうではなく、子の子(本人から見ると孫)が相続人になります。このような相続を「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」といいます。代わりに相続人になっているのです。更に、(子だけでなく)孫も先に死亡している場合には曾孫が代襲相続人になります(再代襲相続といいます)。

    似て非なるものとして数次相続(すうじそうぞく)という場合があります。この違いについて説明します。被相続人がA、子がB、子の配偶者がC,子の子(Aから見て孫)Dを例として説明します。

     

    【代襲相続】被相続人Aより先に、子Bが先に死亡している場合、代襲相続により孫Dが相続人になります。子Bの配偶者Cは相続することはありません。

    【数次相続】被相続人Aが死亡し、子Bが相続しました。特に手続きを取らなくとも、被相続人A死亡と同時に相続しています(観念的お話です)。しかし、不動産について名義変更していないとか、預貯金を解約しておかないまま、子Bも亡くなってしまう場合があります。すると、子Bの相続が始まってしますのです。子Bの相続人は配偶者Cと子の子(孫)Dが相続します。被相続人Aの財産(観念的に承継していた財産)と、子B固有の財産両方を分ける必要があります。

    このように、どちらが先に亡くなるかで相続人が変わってきます。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    相続割合(配偶者とその他の相続人)

    1 まずは、特別な相続人ともいえる配偶者とその他相続人との関係を理解する必要があります。

      配偶者+卑属の場合:相続割合は配偶者1/2、卑属1/2です

      (第1順位の子がいないときには)配偶者+尊属の場合:相続割合は配偶者2/3、尊属1/3です

      (第2順位の存続もいない場合には)配偶者+兄弟姉妹が法定相続人の場合:相続割合は配偶者3/4、尊属1/4です。

     

    2 配偶者が重視、保護されていることが分かります。しかし、戦前は配偶者は保護されていませんでした。相続割合が現行法と違うのです。古い相続ではいつの相続かを慎重に確認する必要があります(先ほど、具体的相続手続きをとっていないため生じてしまう数次相続についてご説明しましたが、これがいくつも積み重なった、相続手続きを放置していたため、この古い相続割合を考えなければならない相続がたまにあります)。

    昭和22年5月3日~昭和37年6月30日の相続 

    配偶者+卑属の場合:相続割合は配偶者1/3、卑属2/3です

    配偶者+尊属の場合:相続割合は配偶者1/2、尊属1/2です

    配偶者+兄弟姉妹が法定相続人の場合:相続割合は配偶者2/3、尊属1/3です。

     

    同一順位相続人間

    配偶者+卑属の場合:相続割合は配偶者1/2、卑属1/2

    配偶者+尊属の場合:相続割合は配偶者2/3、尊属1/3

    配偶者+兄弟姉妹が法定相続人の場合:相続割合は配偶者3/4、尊属1/4

    と説明しました。

     

    配偶者は常に一人なのですが、子が2に運いる場合は?兄弟姉妹が複数いる場合は?を次に考えます。結論として同一順位相続人間では平等です。

    配偶者+卑属の場合:相続割合は配偶者1/2、卑属1/2

    子が2人の場合、卑属の1/2を2人で平等に分けますので、配偶者1/2、子A1/4・子B1/4です

    子が3人の場合、卑属の1/2を3人で平等に分けますので、配偶者1/2、子A1/6・子B1/6・子C1/6です。

     

    スムーズな相続手続きを進めるためには、事前に法定相続人の相続分についての知識を持っておくことが大切です。これにより、相続手続きのフローを理解し、必要な書類や手続きを事前に準備することが可能となります。また、相続人全員が合意形成できるよう、適切なコミュニケーションをとることも重要です。場合によっては、第三者である法律専門家や弁護士を介在させることで、相続人間の意見をまとめ、スムーズに手続きを進める助けとなることがあります。相続分の計算や分配に関して不明な点があれば、早めに専門家に相談することが、トラブルを避けるためにも非常に重要です。相続は個々の状況に応じた複雑なプロセスですが、正しい知識を持っておくことで、円満な解決が実現できるでしょう。

    内縁の妻等

    配偶者は、被相続人と「血」はつながっていない特別な親族です。「配偶者」が相続人であるためには、「法律婚」である必要があります。「事実婚」の妻(内妻)には相続権がありません。この点離婚や、年金受給権者である妻の概念とは異なります。

    子が相続人であるためには実子(自然血族)又は養子(法定血族)である必要があります。養子縁組をしていない所謂「連れ子」には相続権がありません。

    相続権が無い近しい人物に遺産を承継させる制度がいくつかありますが、十分なものではないと思われます。特別縁故者、特別寄与料などが考えられます。これについては別のコラムでご説明します。

     

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