石川安藤総合法律事務所

相続税申告期限の重要ポイント

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相続税申告期限の重要ポイント

相続税申告期限の重要ポイント

2025/03/06

目次

    相続手続きはいつまでに行わなければならないか?

    「相続税」という言葉を聞いたことはあると思います。「相続税」とか「相続税の申告期限」について不安に思っている方が多いと思われます。法律相談に来られる方の中で、いつまでに遺産分割をしなければいけないのですか?とか、相続税の申告期限についての相談、また「遺産分割の期限=相続税申告の期限」と誤解したご相談が多いです。また、結構時間が経ってから「相続放棄」したいとのご相談もあるので、本コラムでは、相続開始後、よく耳にする期間制限についてご説明したいと思います。これまでにご相談いただいたケースで、他の相続人から「相続税の申告期限」等を理由に「急かされ」、納得できていないのに(場合によっては、内容も確認せずに)、遺産分割協議書を作成し印鑑登録証明書を交付してしまったという失敗談が意外に多いのです。「信じていた」との事情があるようですが、法律上、一度作成してしまった遺産分割協議書の効力を覆すのは容易ではありません。相続税の申告期限の徒過をしてしまうとペナルティ(しかも結構重いです)がありますので「相続税の申告期限」をまもることは重要なのですが「遺産分割の期限」とは別物、分けて考える必要があります。また、期間制限後の相続放棄は原則認められず、認められる場合が限られますので、重い債務負担を負わされてしまいます。法律上の「期限」は重要ですので、正しく理解することが重要です。時間順に説明していきます。

    相続放棄【3カ月】

    「相続放棄」は、相続時に遡って相続人ではなかったことにする裁判所手続きです。「相続人」ではなかったことになりますので「負債」も承継しなくて済みます。そこで、プラスの遺産よりマイナスの借金が多いときなどに利用します。当事者間で私的書類を作るだけでは足りず、家庭裁判所で手続きを取る必要があります。原則、「相続開始」を知った時から3カ月以内に行う必要があります(このコラムで割愛しますが、相続する遺産額を限度に債務を承継するという「限定承認」という制度がありますが、この期限も3か月です)。もっとも、例外もありますので、3カ月経過してしまっていてもご相談ください。

    準確定申告【4カ月】

    不動産賃貸経営等をしていた個人事業主の方等の相続で重要な手続きです。個人事業主は1月~12月の収支に関し、翌年2月~3月に確定申告及び納税をします。しかし、その個人事業主が年の途中で死亡した時は、相続人らは、相続開始後4カ月以内に「準確定申告」をして納税する必要があります。例えば、5月に相続が開始した場合には、1~5月分の収支について、相続開始後4カ月目である9月までに申告と納税をする必要があります。これは、賃料収入にかかる所得税ですので、不動産承継そのものにかかる相続税とは別物です。忘れずに準確定申告を行いましょう。

    特別寄与料【6カ月または1年】

    新に設けられた特別寄与料という制度があります(内容は別のコラムでご説明します)。特別寄与者は、①相続の開始及び相続人を知った時から6カ月、または相続開始から1年を経過してしまうと請求できなくなります。

    相続税申告【10カ月】

    相続税の申告は相続開始後10カ月以内です。申告と同時に納税する必要があります。但し、前提として、すべての相続で相続税の申告が必要なわけではありません。一定の遺産規模までは非課税です。相続人の人数によって非課税の範囲が異なりますので専門家に相談してください。また、相続税申告の時に不動産の評価は相続税評価額であって時価ではありません(法律問題としての遺産分割や遺留分侵害額請求の時に不動産評価が「時価」であるのと異なります)。そのため不動産を持っているからと言って常に、相続税が発生するわけでもありません。申告時に遺産分割協議がまとまっていると各種特例利用により(本来相続税が発生する場合でも)相続税がかからない場合があります。ところで、遺産分割の話合いがまとまらず10カ月を経過してしまう場合にはどうするのでしょうか?その場合は、暫定申告(未分割申告)を行います。すなわち、法定相続割合での申告をし、納税しておきます。そのうえで、遺産分割がまとまった後に修正申告を行い、実際に取得した遺産に応じて税金を納めたり、還付してもらったりします。遺産分割がまとまった後の申告では先でご説明した配偶者控除や小規模宅地の特例などが利用でき、相続税を圧縮等することができます。当事務所では、相続税に特化した税理士の方と提携していますので、ご紹介も可能です。

    相続登記の義務化

    誤解を恐れずに言うと、遺産分割の手続きはいつまでに行わなければいけないというルールはありません。これまでは、例えば、お父さんが亡くなっても、お母さんがご存命の場合、遺産分割の話をせず、お母さんも亡くなった時に子供らで話し合いをするというケースも多かったと思われます。しかし、これですと、亡くなったお父さん名義の不動産がいつまでも残っていたり、相続人の一部が行方不明になってしまい後日遺産分割をまとめることが難しくなるなど問題がありました。さらに深刻なのが、山林など価値が低廉な不動産について登記手続きが取られない等の問題もありました。山林に限らず適切な時に相続手続き(相続を原因とする所有権移転登記手続き)を行わなかった結果、相続人が非常に多くなったり行方不明者が出るなどして、江戸時代に生まれた方の名前が残っている不動産を時々目にします。所有者不明の不動産が出ることは相続人にとっても、近隣の方などにとっても(例、土地を売却する場合には隣地の方の境界確認をする必要が多いのですが、隣地の方が既に亡くなっている場合、相続人全員の確認を求める必要があるとしたらその労が大変なことはお分かりいただけると思います)好ましいことではありません。そのため相続登記の義務化が法制化されました。いろいろなケースがありますが、とりあえず、3年が目途です。相続登記の義務化についても、3年以内に遺産分割協議がまとまらなかった場合、登記ができないのではないですか?との質問があると思われます。この場合、法定相続割合の登記を、入れてしまうか、相続が開始し自分が相続人であることの簡易な登記をしておきます。すぐにぺナルティというわけではないですが、相続が開始したら速やかに相続の手続きを進めるべきです。当事務所では登記手続きに精通した司法書士と提携していますのご紹介も可能です。

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