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<title>コラム</title>
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<title>相続登記の義務化とは　注意点を解説</title>
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2024年4月から施行された相続登記の義務化により、不動産を相続した場合、遅滞なく名義変更を行うことが法律で義務付けられました。この制度の目的は、不動産の所有者情報の正確化と相続トラブルの防止にあります。義務化されたことで、相続登記を怠ると10万円以下の過料が科される可能性があるため、制度の内容を正しく理解し、適切な対応を取ることが重要です。弁護士の視点から相続登記義務化の概要とその注意点について詳しく解説します。目次令和6年4月1日から施行された相続登記の義務化は、不動産の所有権移転を迅速かつ確実にするための重要な法律改正です。これまでは相続登記が任意とされていたため、相続が発生しても登記手続がなされず、故人名義になったままの不動産が数多く存在していました。そのため、登記簿を見ても実際の持ち主が分からない「所有者不明土地」が全国で放置されており、周辺環境の悪化を招いたり、公共工事の妨げになるなど、社会問題となっています。また、相続問題が発生した際、遺産にそのような不動産が含まれていると、何世代も戸籍を遡り、何十人もの相続人を探し出して手続きをしたり、調査を尽くしても所有者が見つかなかったり……といったトラブルが多く見受けられました。今回の義務化は、そのような問題を解決するため、相続によって生じた土地所有者の変更を遅滞なく登記簿に反映することを義務づけるものです。今まさに相続によって不動産を取得し、相続手続を開始しようとしている方にとって、「義務」や「過料」という文言は、負担に感じる部分もあるかもしれませんが、上記のようにとても重要な制度なのです。それでは、実際にどのようなルールなのか見ていきましょう。①まず、相続（遺言も含みます。）によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から３年以内に相続登記の申請をしなければなりません。「相続によって不動産を取得した」とあるので、遺産分割協議等を経て実際に不動産を取得した相続人がやればよいのでは？という勘違いが起きそうですが、「自分が相続人であり相続財産に不動産があることを知ったとき」から３年以内に登記を行う必要があるので注意が必要です。②また、遺産分割が成立した場合には、これによって不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から３年以内に、相続登記をしなければなりません。③そして、正当な理由なくこれらの義務を違反すると、10万円以下の過料が科されることになります。「正当な理由」というのは、例えば、相続人が極めて多数に上り、戸籍謄本等の資料収集や他の相続人の把握に多くの時間を要するケース等が想定されています。ここで注意すべきなのが、義務化が開始した令和６年４月１日より以前に相続が開始しているケースです。こういった相続も全て義務化の対象となります。同じく３年の猶予期間がありますが、施工から３年なので令和９年（2027年）３月３１日が期限です。相続で不動産を取得したものの、まだ登記手続を行っていないという方は、お早めに手続をする必要があります。また、今回の変更で、不動産所有者の住所・氏名変更登記も義務化されるため、不動産所有者は併せて注意が必要です。では、実際に、登記申請をしようと思った場合には、どのような手続きになるのでしょうか。登記申請の流れは、①まず、相続人全員の戸籍謄本や遺産分割協議書などの必要書類を準備し、②その後、法務局へ直接赴くか、オンラインで申請します。相続人が複数いる場合や、遺産分割が未了の場合は手続きが複雑になり、３カ月以内に行うことが困難であることもあります。その場合は、新設された相続人申請登記という簡便な手続をとることによって、義務を果たすことができるようになっています。この手続により過料は免れますが、こういったケースでは相続手続が複雑化し、長期に渡ることもありますので、専門家に相談する等して、早めの対応を行うことをお勧めします。不動産登記の申請手続自体は自分で行うことも可能ですし、申請の代理は司法書士に依頼することも可能です。しかし、相続が発生すると、複雑な問題が生じることが多々あります。法律相談が必要な場合には、お早めに弁護士にご相談ください。
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<link>https://i-a-law.com/column/detail/20260511103350/</link>
<pubDate>Wed, 13 May 2026 10:33:00 +0900</pubDate>
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<title>法定相続人の放棄が相続に与える影響詳細解説</title>
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法定相続人の「一人が」相続放棄をする場合、他の相続人らにどのような影響を及ぼすのでしょうか？相続放棄の影響は、単純にその相続人の相続人としての地位（遺産を承継し、負債から免れる）を失うだけにとどまりません。相続放棄は、他の相続人にも影響が生じますので、少し整理します。目次法定相続人が相続放棄を行う場合、その行為がどのような意味を持ち、どのような法的効果を及ぼすのかを正確に理解することが重要です。相続放棄は、相続人が相続人の地位を放棄する意思表示といえます。口頭で、親族や債権者に宣言するだけでは足りず、家庭裁判所への申述の手続きが必要です。家庭裁判所の申述の手続きですので手続き要件がありますし、相続放棄できない（例単純承認になってしまっている）場合もあるのですが、相続人による意思表示ですので、この場面では相手方債権者らの異議があるわけでもなく、家庭裁判所が本来相続放棄できないにもかかわらず誤って申述を受理してしまうケースもあります。そのため、実務では、相続放棄が有効か？無効か？は、債権者が後日起こす次の紛争で判断されることになります。具体的には、債権者が、相続放棄した者に対し、「相続放棄は無効」だから被相続人の借金を返せという訴訟内で、その訴訟の継続裁判所が相続放棄の有効、無効を判断します。放棄が認められると、その相続人は初めから（遡及効）相続人ではなかったものとみなされます。そのため、相続放棄をした者は、遺産を承継する権利も義務もなくなり、借金などの負債責任も免れる結果となります。相続放棄の効果は単にその人の相続権の喪失に限らず、他の者に影響します。それについて見ていきましょう。まず、法廷相続人には２系統あり、順位があります。また同順位相続人間では頭割りが原則です。【２系統の法定相続人】配偶者（夫・妻）は常に相続人となり、もう１系統の相続人と一緒に相続します。なお、内縁の配偶者は、法定相続人にはなれません。離婚の場合の内縁の配偶者保護や、社会保険制度における内縁の配偶者保護とは異なります。【配偶者以外の法定相続人】１第1順位の法定相続人：直系卑属です簡単に言うと、子（実子・養子）や、子が先になくなっている場合は孫（代襲相続）になります。第１順位の相続人がいる場合、下記の第２順位以下の者は相続人にはなりません。配偶者と第１順位の相続人がいる場合、配偶者が1/2、子ら全員で1/2の相続割合となります。２第2順位の法定相続人：直系尊属です簡単に言うと、父母、父母がいなければ祖父母になります。第１順位の相続人（直系卑属）がいない場合、又は全員が相続放棄し第１順位の相続人が誰もいなくなった場合に、第２順位の者（直系尊属）が相続人となります。配偶者と第２順位の相続人の場合、配偶者が2/3、直系尊属ら全員で1/3の相続割合となります。３第3順位の法定相続人：兄弟姉妹です。亡くなっている場合は甥・姪（代襲相続）となります。第1・第2順位がいない場合のみ相続人となります。配偶者と第３順位の相続人の場合、配偶者が3/4、兄弟姉妹ら全員で1/4の相続割合となります。４配偶者がいない場合配偶者の相続分はありませんので、①第１順位の相続人らが全て相続→②第１順位の相続人がいない又は全員が相続放棄した場合には、第２順位の相続人らが全て相続→②第２順位の相続人もいない又は全員が相続放棄した場合には、第３順位の相続人らが全て相続５直系卑属、直系尊属、兄弟姉妹ら第１順位から第３順位の相続人が誰もいない又は全員が相続放棄した場合配偶者が全て相続します【まとめ】相続放棄の法的効果は、最初から相続人ではなかったことになります。そのため、相続放棄により第１順位の相続人が誰もいなくなってしまうと、最初から第１順位の相続人はいなかったみなされますので、第２順位の者に相続権が移っていきます。第２順位の者は、第１順位の相続人が誰もいなくなったことを知ってから３か月以内に自身が相続放棄するのか相続するのか判断していくことになります。後順位相続人は近親者ですので、相続放棄する場合にも、後者への影響を考慮して丁寧な説明、対応が好ましいと言えます。法定相続人の一人が相続放棄をすると、その人物は初めから相続人でなかったものとみなされます。同順位相続人が複数いる場合、そのうち１人が相続放棄した場合について整理します。最初に、同順位の相続人同士では、原則として（※父母が異なる兄弟の場合は例外）法定相続分は均等になります。①相続人が子だけ、子が複数いる場合例子が3人→各1/3例子が３人いたがそのうち一人が先に亡くなっていた、その者に子が２人（被相続人からみると孫が２人）→子各1/3、孫は各1/6（２人で1/3）②配偶者＋子の場合配偶者は常に相続人で、子という「同順位グループ」内で均等配分します。例配偶者＋子3人→配偶者：1/2、残り1/2を子３人で均等配分（1/2×1/3＝各1/6）では、同順位グループの相続人のうち１人だけが相続放棄した場合について見ていきます相続放棄の結果、相続分は他の相続人の間で再配分されることになります。この際、再配分は同順位相続人間で影響するという点に注意が必要です。①相続人が子だけ、子が複数いる場合例子が3人（本来各1/3）→子の１人が相続放棄すると、相続人が子２人だけになりますので、各1/2となります例子が３人いたがそのうち１人が先に亡くなっていた、その者に子が２人（本来子各1/3、孫は各1/6）→子の１人が相続放棄した場合、残る子１人と、代襲相続人２人が相続しますので、子は1/2、代襲相続人は各1/4（2人で1/2）例子が３人いたがそのうち１人が先に亡くなっていた、その者に子が２人（本来子各1/3、孫は各1/6）→代襲相続人の１人が相続放棄した場合、残る子２人と、代襲相続人１人が相続しますので、子と代襲相続人１人が各1/3（代襲相続人グループ内で再配分）②配偶者＋子の場合例配偶者＋子3人（本来配偶者：1/2、子1/6ずつ）→子の１人が相続放棄すると、相続人が子２人だけになりますので、配偶者1/2、子各1/2となります。例配偶者が相続放棄すると、相続人が子だけになりますので、子各1/3となります。「相続放棄」と似て非なるものとして「相続分放棄」と「相続分譲渡」があります。先ほど、子が3人長男、次男、三男（本来各1/3）がいる場合に、長男が相続放棄すると、他の相続人である次男・三男が各1/2と増えると説明しました。しかし、長男が、自分は「要らない」が自分の相続分は次男にだけ上げたいと思うときは、「相続放棄」をせず（次男に対する）「相続分譲渡」の手続きを行うべきです。以上の通り、相続放棄（相続分放棄、相続分譲渡）は他の相続人に影響させる法律行為です。ご自身の為関係者の為にも専門家に相談して最も適した手続きを選択されるとよいと思います。
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<link>https://i-a-law.com/column/detail/20260414101359/</link>
<pubDate>Tue, 14 Apr 2026 10:13:00 +0900</pubDate>
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<title>独居高齢借家人死亡後の住まい問題解決法</title>
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高齢化社会の進展に伴い、独居の高齢借家人が亡くなった後の住まい問題は深刻な課題となっています。特に、親族が遠方に住んでいる場合や身寄りが少ない場合、賃貸物件の契約解除や遺品整理、家財の処分など複雑な手続きが求められます。これらの問題は法律的な知識が必要な場面も多く、専門家の支援が欠かせません。本ブログでは、弁護士の視点から、独居高齢借家人の死亡後に生じる住まいに関わるさまざまな問題を整理し、法的手続きの流れや実際の対応方法について分かりやすく解説します。高齢者の住まい問題に直面した際の対策や注意点を知ることで、スムーズな問題解決に役立てていただければ幸いです。目次単身生活者が、必ずしも身寄りが全く居ないわけではなく、疎遠な相続人がいる可能性もあります。そこで、最初に行うのが相続人調査です。具体的には亡くなった方の戸籍（生まれてから亡くなるまでをとることが多いと思われます）を調べる必要があります。また相続人がいる場合、その方の住所を調べるため戸籍の附票（住民票の異動の変遷が記載されています）を取得する必要もあります戸籍の取得は基本的に近親者しかできませんので、不動産管理会社では情報取得、調査に限界があります。これに対し、弁護士は、依頼を受けた事件については、職務上請求という手続きで、相続人調査のため戸籍や戸籍の附票の取得が可能です。なお、事件に関係なく戸籍を取得したり、純粋に相続人調査業務だけを受任することは法律上禁止されていますので出来ません。相続人が見つかった場合には連絡を試み、事案に応じ事件処理の協力を求めます。死亡後の住まいに残された遺品や家財の整理は、感情面の複雑さだけでなく法的にも慎重に対応しなければならない問題です。独居高齢借家人の場合、親族が遠方に住んでいたり、そもそも身寄りが少ない場合も多いため、遺品整理は遺族の負担が大きくなりがちです。遺品整理は単なる物品の処分ではなく、遺族の思い出や重要な書類、貴重品の発見と管理、さらには不用品の適正処理など多岐にわたります。法律的には、遺産相続に関わる書類や価値のある物品は丁寧に扱わなければなりません。専門の遺品整理業者を活用することは有効ですが、信頼できる業者の選定や遺族の同意の取得が欠かせません。さらに、不動産の明渡し期限に間に合わせるためには遺品整理をスピーディに行う必要がありますが、感情的なやり取りにより遅れるケースもあります。このような問題の解決策としては、遺品整理の前に専門家である弁護士と連携し、相続人全員の合意形成を図りながら適法で円滑な整理を進めることが推奨されます。結果として、早期の対応が今後のトラブル防止につながることは間違いありません。典型的に問題となるのが、借家契約の清算と建物の明渡等です。借家人（被相続人）が死亡しても借家契約は当然には終了しません。当然、賃料も日々発生してしまいます。多くの場合、相続人は借家契約の維持を必要としていません。賃貸人・借家人の相続人どちらの立場でも借家契約を終了させ、無駄な賃料が生じないようにしつつ、私物を処理し建物明渡をしていただくのが合理的なように思われます。しかし、相続人が、相続放棄の手続きをとってしまうケースもままあります（賃料未納の他、原状回復費用の支払いなど経済的リスクを考えることが多いようです）。法定相続人は複数人存在しえます。しかし、全ての相続人が相続放棄してしまい、相続人が全く居なくなってしまうケースもあります（また、そもそも本当に天涯孤独の方もいらっしゃいます）。相続人がいなくとも勝手に鍵を開け、私物を処分し明渡を実現することはできません。すなわち法は自力救済を禁じていますので、相手方の承諾・協力がない場合には、粛々と裁判所手続きを利用して、明渡の判決を得て強制執行で明渡しを実現する必要があります。相続人がいない場合には、裁判所に特別代理人を選任してもらい被告として訴訟追行する者を作出してもらい法的手続きを進めます。他方、被相続人に遺産がある（多額の預貯金を有していたとか）が、相続人がいないような場合もあります。原則として、相続人以外は遺産を承継できません。しかし、長年被相続人の世話をしてきたような近しい人（例内縁の配偶者。内縁の配偶者は法律上相続人ではありませんので、近しくとも、法律上の配偶者同様世話してきたような実績があっても遺産を承継できません）が遺産を全部または一部でも承継した方がいい事案もあります。そのような場合に利用されるのが、特別縁故者に対する相続財産の分与の申立てです。特別縁故者とは、相続人ではないが、被相続人と特別な関係にあった人であり、法律上は「（相続人や債権者がいなかった時）相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。」と規定されています（民法958条の3）相続人ではないが親族が過去援助していた場合とか、内縁関係のご夫婦の場合で利用することが多いと思いますが、近所の方。マンション管理人の方が長期間生活を援助してきたという事例もありました。そこで、特別縁故者に対する財産分与の申立てを行うことになるのですが、前提として、相続財産清算人の申立てを行う必要があります。２つの手続きの流れは以下のようになります。①戸籍上の相続人調査をしたが相続人がいなかった（又は相続人はいたが全員相続放棄をした）↓②家庭裁判所に相続財産清算人の選任申立てを行う↓③裁判所が相続財産清算人（弁護士など）を選任する↓④家庭裁判所が相続人捜索の公告（６か月以上）を行う⑤債権者・受遺者申出の公告（２か月以上）↓⑥相続人不存在の確定↓⑦この段階になって初めて特別縁故者への財産分与申立てが可能になります。【相続人不存在確定後３か月以内が申立期間です】↓⑧家庭裁判所が分与の審判をする↓⑨残余財産がある時は、清算人が帰属の処分を行う（特別縁故者への分与でも残った財産は国庫に帰属する）債務があっても、遺産があっても、相続人がいない場合、法律家の援助が必要なケースは多種存在します。早めに相談いただけるとよいと思います。
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<link>https://i-a-law.com/column/detail/20260414100223/</link>
<pubDate>Tue, 14 Apr 2026 10:02:00 +0900</pubDate>
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<title>相続放棄の管理責任と判例解説</title>
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民法で「相続放棄」の規定がありますが、抽象的記載であるせいもあり、よくご質問を受けます。そこで、「相続放棄」をする者が、その「前」にしていいことと悪いこと、「後」にしてはいけないこと、しなければならないことについて、整理してみます。１相続放棄の基本ルール相続人は、相続開始（被相続人の死亡）を知ってから原則３か月以内（熟慮期間と言います）に単純承認、限定承認、相続放棄を選択することができます。一方、熟慮期間中でも、一定の行為をすると「単純承認」したと「みなされ」、相続放棄ができなくなります。２単純承認したとされてしまう行為第921条【法定単純承認】では以下の通り規定されます。次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。一相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第602条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。二相続人が第915条第1項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。三相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。相続財産の「処分」行為を行った場合、単純承認したとみなされ、相続放棄できなくなります。例えば、被相続人の預金を引き出して自分の生活費に使うとか、不動産を売却するなどの「処分」行為が禁止されます。禁止されるのは「処分」行為ですので、家の修繕（増改築などはダメです）など「保存行為」とか最低限の「管理行為」と評価される行為は「処分」行為になりません。抽象的には、遺産の維持管理に必要な行為が許されるように考えられますが、思わぬ行為がリスクありと言われることがあります。例えば、借地・借家契約の解除です。被相続人の死後誰も住んでいない不動産を維持するのは無駄であると考え、賃料が発生しない状態にしようと「遺産の維持管理」の気持ちで行ったのかもしれませんが、「借地権」「借家権」という相続財産の「処分」と考えられてしまうためです。そこで、相続放棄を考えなら心を鬼にして遺産に触らないのがセオリーです。「心を鬼にして」といったのは、借家の整理は、大家さんのお願いがきっかけで行うことが多いからです。大家さんは賃料を貰えない状態であることが通常であり、被相続人の私物を処分し、借地契約を解約し、物件を返還することを求めます。お世話になった大家さんが困っているので、相続人として、善意で、わざわざ手間とコストをかけて被相続人の私物を処分し、借地契約を解約し、物件を返還したため、「処分行為」とされ相続放棄が出来なくなってしまうケースがあるのです。ただ、葬儀費用の支払い、未払い医療費の支払い等を行ってしまったが、相続放棄が認められる場合もありますので、専門家に相談することをお勧めします。３相続放棄後にしてはいけない行為第921条【法定単純承認】三号が規定しています。三相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。相続放棄をすると、相続時に遡って相続人ではなかったことになり、遺産に対して「権利」は有しなくなります。相続放棄をした後でも（後順位相続人が承認するまでの間に）相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったときは、単純承認にあたり、相続放棄できなかったことになります。一方、後順位相続人が承認した後は、無権利でありながら他人の財産を費消したことになり、損害賠償義務は不当利得返還義務を負うことになります。４相続放棄後にするべきこと相続放棄の効果は、相続時に遡って相続人ではなかったことになるので何も権利・義務が残らないかのように思えます。この点、改正民法第940条が以下の通り定めています（改正前にも同趣旨の規定はありました）１相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第952条第1項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。相続放棄をしても「放棄の時に相続財産を現に占有しているときは」当該財産を他相続人や相続財産管理人・清算人に引き継ぐまで管理責任が残ってしまします。改正後まだ間もないですが「放棄の時に相続財産を現に占有しているとき」がどのようなときか相続放棄をした者に酷な場合がると考えられます。例えば、被相続人と同居していた子が相続放棄をした場合でも、同居していた子に管理責任が残るのは納得できます。しかし、生前は同居していなかったが「鍵を持っているだけ」「（相続人の）私物を置きっぱなしにしている」場合はどうでしょうか？」今後の裁判所判断を見守る必要がありますが、「被相続人の家に住み続けている」「鍵を持って自由に出入りできる」ような場合、家を「支配」している状態として「現に保管」している場合になる可能性が高いと思われます。他の相続人、次順位の相続人、相続財産管理人・清算人に引き継ぐまで義務があります。義務を負うのは保管していた当該財産だけです（例通帳を保管しているだけなら通帳の管理義務があるだけで、占有していない不動産の管理義務が生じるわけではありません）「負」動産の管理責任を免れるため、相続財産（管理人・）清算人の申立てをせざるを得ない場合があります。（管理人・）清算人が管理責任を引き継ぎます。通常は、（管理人・）清算人が不動産を売却等（無償譲渡を模索することも多いと思われます）することで、管理の義務自体が無くなるというものです。しかし、（管理人・）清算人をしても、売却等処分ができない難しい「負」動産も存在します。（管理人・）清算人が存在するためには同弁護士の報酬の手当てが必要ですのでいつまでも管理させておくわけにはいきません。そこで、（管理人・）清算人にて、国庫帰属を目指すことが期待されます。相続放棄＋相続財産（管理人・）清算人まで検討すべきかよく検討が必要です。目次
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<link>https://i-a-law.com/column/detail/20260409154749/</link>
<pubDate>Thu, 09 Apr 2026 15:47:00 +0900</pubDate>
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<title>相続とサブスクリプションサービス</title>
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近年、音楽・動画配信、クラウドサービス、オンラインサロンなど、いわゆる「サブスクリプションサービス（定額制サービス）」を日常的に利用する人が増えています。こうしたサービスは便利である一方、利用者が亡くなった場合の取り扱いについては、十分に理解されていないことが多く、相続の現場でも新たな問題として顕在化しています。本コラムでは、相続とサブスクリプションサービスの関係について、法的な位置づけと実務上の注意点を解説します。目次まず問題となるのは、「サブスクリプションサービスは相続財産に含まれるのか」という点です。結論から言えば、多くのサブスクリプション契約は「契約上の地位」に関する問題となり、単純な財産（預金や不動産など）とは異なります。利用規約において、契約者本人のみが利用できるとされているケースが多く、契約上の地位の承継（相続）が制限されていることが一般的です。例えば、動画配信サービスや音楽配信サービスのアカウントは、原則として第三者への譲渡が禁止されており、相続人がそのまま引き継いで利用することは想定されていません。したがって、サブスクリプションサービスは「そのまま相続するもの」というよりは、「解約や整理の対象」として捉える必要があります。サブスクリプションサービスの問題は、見落とされやすい点にあります。被相続人がどのようなサービスに登録していたかを把握できないまま、契約が継続してしまうケースが少なくありません。主なリスクとしては、以下のようなものがあります。（1）料金が引き落とされ続けるクレジットカードや銀行口座から自動的に料金が引き落とされるため、解約しない限り課金が続きます。特に、少額のサービスが複数ある場合、気づかないうちに長期間支払いが続いてしまうことがあります。死亡後にクレジットカードが停止されると決済エラーとなり、そこで初めてサービスの存在に気づくケースもあります。しかし、それまでの期間については課金が継続している可能性があります。（2）不要な契約トラブルの発生解約手続きが遅れたことにより、未払い料金や遅延損害金が発生するなど、思わぬトラブルに発展する可能性もあります。では、相続人はサブスクリプションサービスについて、どこまで対応する必要があるのでしょうか。基本的に、不要な契約は速やかに解約することが望ましいです。もっとも、すべてのサービスを網羅的に把握することは容易ではありません。実務上は、以下のような方法で調査を行います。・クレジットカードの明細を確認する・銀行口座の引き落とし履歴を確認する・メールアカウントを確認する（登録通知や請求メール）・スマートフォン内のアプリを確認する特にメールは重要で、多くのサービスが登録時や更新時に通知を送っているため、有力な手がかりとなります。サブスクリプションサービスの解約は、各事業者ごとに手続きが異なりますが、一般的には以下の点に注意が必要です。（1）本人確認資料の提出死亡の事実や相続人であることを証明するため、戸籍謄本や死亡診断書の提出が求められることがあります。（2）ログイン情報が不明な場合IDやパスワードがわからない場合、通常の解約手続きができず、別途問い合わせが必要になります。この場合、手続きに時間がかかることがあります。（3）海外サービスの対応海外事業者が提供するサービスでは、日本語での対応が難しい場合や、手続きが複雑になるケースもあります。サブスクリプションサービスに関する問題を防ぐためには、生前の対策が非常に重要です。具体的には、以下のような準備が有効です。（1）利用サービスの一覧化自分が利用しているサブスクリプションサービスをリスト化しておくことで、相続人が把握しやすくなります。契約サービスや解約方法を記載しておくことで、相続人の負担を大幅に軽減できます。（2）ID・パスワードの管理専用のノートやパスワード管理ツールを活用し、必要な情報を整理しておくことが重要です。（3）不要なサービスの整理利用していないサブスクリプションは、生前のうちに解約しておくことが望ましいです。以下のような場合には、弁護士などの専門家への相談を検討すべきです。・契約内容が不明で解約できない場合・多額の未払い料金が発生している場合・海外サービスとのトラブルがある場合・相続人間で対応方針が対立している場合デジタル関連の問題は今後ますます増加すると考えられ、専門的な知識が求められる場面も多くなっています。サブスクリプションサービスは、現代の生活に欠かせない存在となる一方で、相続においては見落とされがちな問題です。放置すれば金銭的な損失やトラブルにつながる可能性があるため、適切な把握と対応が不可欠です。相続手続きでは、預金や不動産といった従来の財産だけでなく、「デジタル上の契約関係」にも目を向ける必要があります。生前の準備と、相続発生後の適切な対応を通じて、不要なトラブルを未然に防ぐことが重要といえるでしょう。
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<link>https://i-a-law.com/column/detail/20260318145259/</link>
<pubDate>Tue, 24 Mar 2026 15:34:00 +0900</pubDate>
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<title>相続欠格と廃除の条件と違い徹底解説</title>
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残念ながら、被相続人と相続人の間で深刻な問題を抱えている事案も散見され、「相続欠格」や「廃除」について相談を受けることがありますので、これらについて説明します。相続における「相続欠格」と「廃除」は、どちらも特定の相続人が相続できなくなる制度ですが、その性質と適用条件には大きな違いがあります。一言でいうと、「相続欠格」は、法律によって定められた一定の行為がある場合に行為を行った続人が相続の権利を失う制度であり、「廃除」は「被相続人の意思」によって特定の相続人を相続から外す制度になります。本記事では、弁護士の立場からこれら二つの制度の具体的な条件や違いを分かりやすく解説し、相続トラブルを未然に防ぐためのポイントを詳しく紹介します。相続問題に直面している方はもちろん、法律の専門家や関係者にも役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までご一読ください。目次民法第891条は、相続人が一定の重大な非行を行った場合に自動的に相続権を失う「相続欠格」を規定しています。条文の概要「相続欠格」については、民法第８９１条に規定されています。「次に掲げる者は、相続人となることができない。」と規定されており、当然に相続人にはなりません。①故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者→いろいろ要件が付いています。「故意に」とされていますので、「過失」で死亡させてしまったような場合（致死）は欠格事由に該当しません。「死亡するにいたらせようとした」とされていますので、死亡の結果が生じていなくとも（未遂）該当します。「刑に処せられた者」とされていますので、疑われたが無罪となった場合は欠格事由に該当しますや責任能力がない場合は欠格になりません。過去の裁判例で争われたのは、刑事裁判では「執行猶予付き」判決だった場合です。②被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。被相続人の殺害を知りながら告発・告訴しなかった場合ただし、是非の弁別がない場合や、殺害者が自己の配偶者または直系血族である場合は除外されます。官憲に発覚した後に初めて事実を知った場合も欠格にはなりません。詐欺・強迫により被相続人の遺言を妨げた場合遺言の作成や内容に不正な影響を与えた場合。詐欺・強迫により被相続人に遺言をさせた場合遺言を強制的に作成させた場合。遺言書の偽造・変造・破棄・隠匿ただし、被相続人の意思を実現するための形式的な操作や、相続に不当な利益を目的としない場合は欠格に該当しません。欠格の効果欠格事由があれば法律上当然に相続資格が剥奪されます。欠格者は**受遺能力（遺贈を受ける権利）**も失います。欠格者に子がいる場合は、代襲相続が認められます。欠格の発生時期は、相続開始前に事由が発生した場合はその時点、相続開始後に事由が発生した場合は相続開始時に遡って発生します。欠格の効果は特定の被相続人との間で相対的に発生します。まとめ民法第891条は、相続秩序を乱す重大な行為を行った相続人に対して自動的に相続権を失わせる制度です。被相続人の意思に関係なく適用され、遺言で欠格者に財産を相続させる指定があっても効力は認められません。これにより、公平な相続を確保し、相続秩序の維持を目的としています。相続欠格は、民法で定められた法定の理由により相続権を喪失するもので、例えば被相続人を故意に殺害したり、重大な犯罪行為を行った場合に適用されます。この制度は法律により自動的に相続権を剥奪するため、被相続人の意思は関係ありません。一方、廃除は被相続人の意思表示によって特定の相続人を相続から外す制度です。例えば、著しい虐待や重大な侮辱行為があった場合に、遺言や家庭裁判所の審判により廃除が認められます。廃除は相続欠格と異なり、被相続人の意向が重要であり、廃除の手続きを経なければ効力を持ちません。これらの制度を正しく理解し適切に活用することで、相続トラブルの予防に繋がります。法律の専門家としても、違いを把握し、具体的事案に応じた対応が求められます。（相続欠格は、欠格事由という事実の存在により、法律により自動的に相続権を剥奪する制度であるのに対し）相続において「廃除」とは、被相続人が遺言または家庭裁判所の許可を得て、特定の相続人を相続から排除する手続きです。相続廃除については、民法８９２条が次のように定めています。遺留分を有する推定相続人（相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。）が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。「被相続人は」廃除を「請求することができる」とあるように、被相続人の意思が必要です。被相続人が、生前、推定相続人から、遺留分も含めて相続人の地位を奪う制度ですので、いわば（経済的な）「勘当」と言えるかもしれません。１廃除の意思表示ができるのは被相続人だけです２但し、具体的には、家庭裁判所による審判、又は審判に代わる裁判の判決という手続きを要します（意思表明だけでは足りません）。ただし、（被相続人の）遺言によることもできます。３廃除の対象となるのは「遺留分を有する推定相続人」になります。兄弟姉妹は遺留分を有さないので、廃除の対象にはなりません。遺言で財産を全く渡さないことができます。４廃除の対象となる推定相続人が、被相続人に対して、「虐待」「重大な侮辱」「その他著しい非行」などの事実があることが必要です。裁判所は、この要件を審理して審判等を行います（対象となる者の反論の機会があります）。５「その他著しい非行」の例として、重大な刑法犯罪、被相続人の財産の浪費、無断処分、不貞行為、素行不良、長期の音信不通、行方不明など多種多様なものが考えられます。ただし、例えばちょっとした浪費で廃除が奏功するわけではありません。やはり勘当が相当と言えるようなレベルである必要があります。６認められると、相続人から除かれ、遺留分の請求すらできません。一方、相続欠格と異なり、遺言の受遺者としての能力は失いません。遺贈もまた、被相続人の意思によるものですので、少しは財産を与えたいという許しなのかもしれません。なお、被相続人は廃除の取消しをいつでも又は遺言によって家庭裁判所に請求できます。残念ですが、特定の子が親を虐待する事案があり、他の子が憤慨している事案はかなりあります。遺言で、虐待等した子には財産を渡さないという対応もありますが、遺留分が残ります。改正法により、従前の遺留分減殺請求が、遺留分侵害額請求と、金銭請求に変わりました。せっかく不動産を相続させても、お金を請求され不動産を処分せざるを得ない場合もあります。もし、重大な虐待等あり、特定の相続人に財産を残したくない、特定の相続人に少しでも多く遺産を残したいと徹底的に戦いたいのであれば、早めに相続の専門家に相談することをお勧めします。
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<link>https://i-a-law.com/column/detail/20260318164808/</link>
<pubDate>Wed, 18 Mar 2026 16:48:00 +0900</pubDate>
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<title>弁護士が解説する代襲相続の手続きと数次再転相続の実務</title>
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父親が亡くなり、配偶者と子供が相続人のような場合の相続関係はシンプルです。一方、先に子供が亡くなっていた場合にはどうでしょうか（孫がいる）？ちょっと違って、父親の相続が発生した時には子供が存命中でしたが、遺産分割をする前に当該子供が無くなってしまった場合にはどうなるでしょうか？今回は、代襲相続や数次・再転相続といった、少し複雑な相続関係になる場合について説明したいと思います。目次代襲相続とは、本来の相続人が相続開始前に死亡した場合、その相続人の子や孫が代わりに相続権を受け継ぐ制度です。例えば、被相続人Aの子Bがすでに死亡している場合、その子の子（被相続人の孫）Cが代襲相続人となります。この制度は、相続人Bが先に亡くなっていても公平に財産を分配するための重要な仕組みです。代襲相続の手続きでは、まず被相続人の相続関係を正確に確認し、代襲者の立場を明確にする必要があります。これにより相続人の範囲が確定し、遺産分割や申告手続きが適切に行えます。数次相続とは相続が連続して発生する状況を指します。特に（数次）再転相続が問題を複雑にします。再転相続は、一次相続の法定相続人が「相続承認や放棄を決める前」に死亡し、二次相続が発生する相続のことです。例えば、被相続人Aの子Bがおり、Bに配偶者Cと子D（被相続人Aの孫）がいる場合、被相続人Aが死亡すると、子Bが相続しますが、Bが死亡することでCとDがBを相続します。。再転相続は、相続人が相続開始前に亡くなっている場合に、さらにその相続人の相続人に相続権が移る状況を指します。実務上は複雑な手続きを要する場合があります。具体的には、被相続人の死亡後に一次相続人が死亡し、さらに二次相続が発生した場合、数次再転相続として取り扱われます。手続きでは、まず相続関係を正確に確認し、戸籍謄本などの書類で相続人の死亡時期や関係性を明らかにすることが重要です。その上で、相続分の算定や遺産分割協議を行い、遺産分割協議書や相続登記の申請を適切に進めます。数次再転相続に対応する際は、相続人の増減による遺産分割への影響や税務申告のタイミングにも注意が必要です。複雑な相続関係を整理し、トラブルを回避するために、専門家の助言を得ることが望ましいでしょう。祖父A父（祖父Aの子）BBの配偶者CBの子（祖父Aの子）Dの例で説明します。【代襲相続】Aが死亡する前に、Bが死亡していた場合→Dが代襲相続人になります。Cは相続しません。【数次・再転相続】Aが死亡した後、Bも死亡してしまった場合です。Bの相続人であるCとDが相続します。この際、CとDが相続するのは、B固有の遺産だけでなく、AからBが承継した遺産（に関する権利）を含みます。特に、後者について、数次・再転相続として複雑な問題を生じることがあります。父A、母B、子C、子Dの相続で考えてみます。Aが亡くなった後、遺産分割をしない間にBもなくなってしまった場合、相続人はCDだけになります。そこで、シンプルな事案であれば、結局AとBの合算した財産を２分の１宛の法定相続割合で分ければ公平ですので、それほど問題になることはありません。しかし、父Aについて子Cに特別受益があったり寄与分があるなどして、父Aと母Ｂの相続をきちんと峻別して精算しなければいけないような事案があったとき、問題が顕在化します。前記のようなシンプルな事案であれば、あたかもCDがAから直接1/2宛承継したように処理しても何ら問題ありません（結果オーライです）。しかし、細切れに分析すると、父Ｃが死亡した瞬間、母Ｂが法定相続割合1/2、子CDが各1/4で相続し、母Bが死亡すると、子CDが子CDが各1/2で相続します。例父死亡。その後母死亡（数次相続）した場合。父からの特別受益がある場合、父の相続と母の相続を「分けて」計算するのが原則です。つまり父から受けた特別受益は「父の相続」にのみ持戻し計算することとし、母の相続では原則として考慮しません。なぜなら特別受益は「被相続人から受けた生前贈与」を調整する制度であり、父からの贈与は父の相続でのみ、母からの贈与は母の相続で問題とするというものです。
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<link>https://i-a-law.com/column/detail/20260311110238/</link>
<pubDate>Wed, 11 Mar 2026 11:02:00 +0900</pubDate>
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<title>弁護士が解説する旧民法の相続割合</title>
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目次民法における法定相続割合は明確な割合が定められ、日本の相続制度の基本となっています。例えば、配偶者と子が相続人の場合、配偶者が法定相続分の2分の1、残りの2分の1を子どもが均等に分け合うという割合です。しかし、昔の民法では、この割合が異なっていました。昔の相続手続き（遺産分割）を放置したまま祖父母名義の不動産が残っており、現在の相続人（次の相続、次の次の相続による相続人が当事者となっているはずです）で遺産分割を行おうとする場合にも、各相続発生時の規定が適用されますので、注意が必要です。そこで、相続制度・法定相続割合の変遷について説明します。最初に現行の法定相続割合を確認します。(1)配偶者＋子配偶者：1/2子：1/2（1/2を人数で等分）例
配偶者＋子3人配偶者1/2子各1/3（1/2×1/3）(2)配偶者＋直系尊属（父母）配偶者：2/3直系尊属：1/3（1/2を人数で等分）例
配偶者＋父母配偶者2/3父母：1/6(1/3×1/2)(3)配偶者＋兄弟姉妹配偶者：3/4兄弟姉妹：1/4（1/4を人数で等分）(4)配偶者のみ配偶者が全部相続戸主制度とは、明治時代の古い民法の下で採用されていた家を中心とする家族制度です。一家の長である「戸主」を中心とする家族・身分・相続制度です。
明治時代にはじまり、戦後の日本国憲法と民法改正により廃止されました。「戸主」は、戸籍上の「家」の代表者です。相続に関係する点として、分家の許可があります。現行民法にはない制度としては（法律上の）「勘当」とか、「家督相続」による財産承継があります。また、「隠居」の制度もありました。
「家督相続」は
原則「長男」が「単独」ですべての遺産を相続します。単に遺産の承継ではなく、戸主の地位・家の財産・（祖先の）祭祀などをまとめて承継しました。日本国憲法になると男女不平、個人の自由の制限などの理由から、1947年の民法改正で、戸主制度・家督相続は廃止されました。但し、最初に記載しましたが、家督相続時代の相続手続きを放置していた場合、その時点分の手続きは家督相続による手続きで考える必要があります。【戦後１９４７年～１９８０年までの法定相続割合】１９４７年の家督相続制度の廃止により、配偶者や長男以外の子が法定相続人になることになりました。「法定相続人」が誰か？という点では現行の制度とほぼ同じになりましたが、誰が何割承継するか？という「法定相続割合」については、現行法と違いがありました。配偶者と子が相続人配偶者：1/3※現在の配偶者1/2子：2/3子：1/2とは異なっており、配偶者の権利が弱いことが分かります。例
配偶者＋子3人配偶者1/3子各2/9（2/3×1/3）配偶者と直系尊属（父母など）配偶者：1/2※やはり現行法の配偶者：2/3直系尊属：1/2直系尊属：1/3と比べ配偶者の権利が弱いことが分かります例
配偶者＋父母配偶者1/2父1/4、母1/4配偶者と兄弟姉妹配偶者：2/3※やはり現行法の配偶者：3/4兄弟姉妹：1/3兄弟姉妹：1/4と比べ配偶者の権利が弱かったことが分かります例
配偶者＋兄弟4人配偶者2/3兄弟姉妹各1/12（1/3×1/4）やはり１９４７年～１９８０年までに発生した相続について、遺産分割手続きを放置しており、現在において遺産分割手続きを進める場合も、その手続き自体は当時の法定相続割合で考える必要があるので注意が必要です。１９８０年改正で配偶者保護のため割合が引き上げられ、冒頭の現行法定相続割合になりました。１９４７年～１９８０年現在配偶者：子1/3：2/31/2：1/2配偶者：直系尊属1/2：1/22/3：1/3配偶者：兄弟姉妹2/3：1/33/4：1/4【２０１３年改正】法定相続割合の例外的規定であった非嫡出子の相続の場合に関する規定※が廃止になり、非嫡出子と嫡出子の相続が同じ扱いになりました。※改正前民法900条4号但書は非嫡出子の相続分＝嫡出子の1/2と定めていました。例
子が嫡出子1人、非嫡出子1人の場合、嫡出子2/3、非嫡出子1/3（非嫡出子は嫡出子の1/2）となっていました。現在は嫡出子1/2、非嫡出子1/2と平等になっています。【２０１９年改正】明治時代に制定された相続分野における民法の大改正と言われますが、法定相続割合についての改正はありませんでした。古い相続を放置すると、前記のような複雑な知識と計算が必要になります。また、古い戸籍まで大量に収集する必要があります。相続人の数も膨大になります。今まで見た事件では模造紙に家系図がびっしりになるケースも見たことがありますまた相続人が特定できても住所が不明、連絡がつかないといった問題点も出てきます。そこで、今からでも遅くないので、放置している相続（特に不動産がある場合）は速やかな処理をするべきです。
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<link>https://i-a-law.com/column/detail/20260311083758/</link>
<pubDate>Wed, 11 Mar 2026 08:37:00 +0900</pubDate>
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<title>養子と非嫡出子の法的権利関係徹底解説</title>
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法律上の「子」に関する用語として「実子」「養子」「嫡出子」「非嫡出子」「認知された子」など様々な概念が出てきます。なんとなくは分かるという方も多いとは思うのですが、一度整理してみたいと思います。目次①実子（じっし）実際に血縁関係がある子どものことです。分かりやすく言うと親と本当の「血のつながり」がある子です。婚姻中に生まれた子（嫡出子）も、婚姻外で生まれた子（非嫡出子）も含みます②養子（ようし）「血のつながり」はないが、法律上の親子関係を作った子です。養子縁組という法的手続き（具体的には、養子縁組届を役所に提出します）をすると成立します。養子は、養子縁組が成立すると法律上「実子」とほぼ同等に扱われ、次の権利を持ち、義務を負います。ア親子関係の成立養親との間に法律上の親子関係が成立しますので、扶養・相続などの権利義務が発生しますイ相続権養親の「実子」と同じ順位で相続します。法定相続割合も「実子」とおなじです。なお、養子の実親の相続については、養子の種類によります。【普通養子】の場合、実親の相続権も残ります
【特別養子】の場合、実親との親族関係は消滅するため相続権も消滅ウ扶養を受ける権利養親から扶養を受ける権利を持ちます未成年であれば監護・教育を受ける権利がありますエ氏（苗字）の変更原則として養親の氏を名乗ることになりますオ戸籍への記載養親の戸籍に入り、法律上の家族として扱われますカ養親に対する扶養義務成人後、養親が生活困難に陥った場合は扶養義務を負いますキ家族としての協力義務民法上、実子と同様に「家族間の協力・扶助義務」を負いますク家庭内での身分上の義務未成年養子の場合、養親の監護・教育に従う義務があります親権の対象となり、居所指定などに従う必要があります一方、非嫡出子は、婚姻関係にない男女の間に生まれた子のことを指し、かつては相続権や姓の問題で差別的扱いがありました。2013年の最高裁判例以降、非嫡出子も嫡出子と同等の相続権が認められています。ただし、親権や扶養義務については養子と非嫡出子で扱いが異なる部分も存在するため、注意が必要です。これらの法制度は社会情勢の変化に応じて改正が続けられており、最新の判例や法律を踏まえた正確な理解が重要です。養子や非嫡出子の方が安心して権利を行使できるよう、弁護士の視点から丁寧に解説していきます。①嫡出子（ちゃくしゅつし）法律上の夫婦の間に生まれた子です。言い換えると、「父母が婚姻している」ことを前提に「婚姻中に生まれた」子ということになります②非嫡出子（ひちゃくしゅつし）婚姻していない男女の間に生まれた子です。例えば、結婚していないカップルの子とか、不倫関係で生まれた子になります。以前は、非嫡出子は、嫡出子より、相続割合が少ないとされていました。しかし、2013年の最高裁判所大法廷決定2013年9月4日非嫡出子相続差別違憲決定で、非嫡出子の相続分を少なくする規定が違憲とされました。その後、民法が改正され、現在では相続に関し、嫡出子と非嫡出子は同じとなっています。③「認知」された子婚姻していない男女の子について、父親が「自分の子」と認めた場合の子です。母親との関係では、この母親が誰であるかは、「出産」という事実から明らかです。しかし、父親については誰の子かは当然に明らかであるわけではありません。婚姻関係中に生まれた子については、母の夫が父であろうということになりますが、婚姻関係がない場合の父親が誰かは当然に明らかではなく、父不在の状態になります。そのような時、父子関係を定めるのが「認知」です（あくまで実の父親を誰とするかであり、実の父親でない人を父親とするものではありません）例えば、未婚の男女の子を父が認知します。認知されると、法律上の父子関係が成立、相続権など子としての権利や義務が発生します用語の整理実子：血のつながりのある子養子：血縁はないが法律上の子（実子と養子→血縁の有無）嫡出子：婚姻中の夫婦の子非嫡出子：婚姻外で生まれた子（嫡出子vs非嫡出子→親が結婚しているか）認知された子：父が法律上の子と認めた非嫡出子認知される子は、基本的に非嫡出子です。①非嫡出子（未婚の男女の子）②認知されていない非嫡出子③認知された非嫡出子という関係になります。１養子にも相続権がある養子は、法律上は実子と同じ相続権を持ちます。養子になると、養親の法定相続人になり、実子と同じ相続分を持つ例
父が亡くなり、子が2人（実子1人、養子1人）の場合、→子２人（実子、養子）が相続人となり、実子1/2、養子1/2となります。２養子は実親の相続もできる（普通養子）普通の養子縁組では実親との親子関係→残る養親との親子関係→新しくできるつまり両方の相続が可能となります。地主層では、時々、長男の子が、父と養子縁組をしている場合があります（おじいちゃんと養子縁組）
父：A（母は先に他界）長男：B、次男C長男の子で父Aの養子：DAが死亡すると、法定相続人は、A、B、Cの３人で法定相続割合は各1/3になります。ところで、Aより先にBが死亡している場合、DはBの代襲相続をします。すると、Aの相続人と相続割合は、Bの代襲相続人としてD1/3、またD固有の権利（要旨としての相続権）で1/3、C1/3となります。３特別養子という特別な養子縁組の場合特別養子は、実親との法律関係が完全に消えますので、相続の関係では、実親の相続はできなません養親の相続できます４日本では相続税対策で養子をとることもあります。相続人が増えると基礎控除が増えるためです（基礎控除の計算方法：3000万円+600万円×法定相続人）民法上は養子の数に制限はありません（養子が多ければ、その分法定相続割合が小さくなります）ただし税法では養子の人数制限があります（実子がいる場合は1人まで、実施がいない場合は２人までしか基礎控除計算の法定相続人には数えられません）。養子を増やせが基礎控除額が大きくなるとすると、相続税が不当に回避できてしまうから当然ですね。それでも、同居の子の配偶者や子など多数の養子縁組がされるケースがあります。それは、同居の子（の家族）の相続割合を大きくして家を守ろうとするからです。翻って、同居をしていない子（相続人）からしてみれば、自分たちの相続割合が少なくされますので、不公平感・不満が大きくなります。また、合わせて特定の相続人（家族）に有利な遺言が作成されており、不公平感・不満が高まるケースが多々あります。特定の相続人の家族が養子縁組されていると、他の相続人が有する不満不公平感から、遺産分割が紛糾する場合があります。嫡出子と非嫡出子の相続割合は同じになったと説明しました。しかし、多くの場合で、嫡出子と非嫡出子に面識がなく、感情的な問題も絡み、遺産分割が進みにくい場合があります。これらの場合は早めに専門家に相談されることをお勧めします。
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<link>https://i-a-law.com/column/detail/20260308154107/</link>
<pubDate>Sun, 08 Mar 2026 15:41:00 +0900</pubDate>
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<title>相続不動産における取得時効の法的解説</title>
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父・母・長男が父名義の実家不動産同居し、他の兄弟姉妹が家を出ていたような場合、父→母が亡くなり、長男が一人で実家不動産に居住しているような事案がよく存在します。このような場合で、遺産分割の手続きを行わず、亡父名義のままの不動産が二十年、三十年と残っているケースがあります。兄弟姉妹間が仲が良かったため両親と同居していた長男が家を継ぐのを当然のように考え長年経過してしまったケースもありますし、兄弟姉妹間で争いがあり遺産分割ができないまま長期間経過してし待ったような場合もあります。問題は、二十年、三十年と長期間経過した場合に非常に面倒な問題が生じることです。目次前で述べましたように、遺産分割を行わない、行えない何か理由があったはずです。これは遺産分割一般にあることです。長期間経過することで、それに法的、事実上の問題がいくつも加わります。１遺産分割は、相続人全員の合意が必要です。先の例で、亡父→母と亡くなった時、子供が、例えば、長男、長女、次男、次女の４人だけであれば、４人が合意するだけで済みます。しかし、長年放置したことで、長男も死亡してしまった場合どうでしょう？長男の相続人の配偶者と子供たちが相続人に加わります。更に、長男の子供が死亡した場合には、その配偶者と子供が相続人に加わります。また、長男に配偶者しかいなかった場合、長男が死亡した段階では配偶者だけが相続人に加わるだけですが、その配偶者が死亡してしまうと、配偶者の家系にに連なる人が相続人になります。長年放置すると、ネズミ算式に相続人の数が増えていき、関係も希薄になっていきます（全然知らない人が相続人に加わることもあります）。２そもそも、戸籍を取得し全相続人を確定するのが非常に大変になるという事実上の問題があります。これまで経験したケースですと、相続がいくつも発生し、模造紙に書いた家系図を持ってこられた方がいます。３相続人の一部が行方不明になってしまうなど連絡がつかない場合もあります。これまであった例でいうと、相続人の一人が外国に移住し連絡が全然つかないというケースがありました。日本と違って戸籍や住民票がそろっている訳ではなく、弁護士の職務上の手続きが及びませんので、弁護士でも追跡ができないケースが生じてきます。そうすると、遺産分割の手続きの前に、不在者財産管理人の選任申立てが必要になるなど、手間やコストの負担が格段に重くなるケースがあります。相続手続きは、とにかく問題を先延ばしにしないことが肝要です。近年、相続登記の義務化が法律上定められたこともあり、遺産に不動産がある場合に、相続登記の手続きをしないとぺナルティがあるんですよね？と違った視点で相談に来られる方がかなり増えた印象がありますが、相続手続きを先延ばしにすべきではない本当の理由は、長期間放置した場合の上記のようなデメリットがあるからです。遺産分割がまとまっていないのですから、原則、遺産分割をまとめる交渉を行い、交渉が奏功しない場合には家庭裁判所の遺産分割調停・審判といった手続きを進めていくことになります。しかし、前記の通り、長期間放置した場合、相続人が２０人、３０人いることもあります。遺産分割は、裁判所外の協議でも、裁判所の調停・審判でも全員の合意がないと成立しません。たった一人が反対するとか、反対はしないまでも協力しない人がいると（遺産分割協議書には実印で押印し、印鑑登録証明書を添付する必要があるのですが、実印で押印するとか印鑑登録証明書を提出することを非常に嫌がる人はかなり多いです。特に全然知らない相続人から言われた場合、慎重になるのもやむを得ないでしょう）、遺産分割協議は成立しないのです。今まで９割の相続人が遺産分割協議書に署名押印したことが無意味になります。そこで、相続人が多い場合には、できるだけ頭数を少なくすることがセオリーです。そこで、遺産に関心が低い人を味方につけ、相続分を無償・有償で譲り受け、相続人の頭数を少なくして手続きを進めます。前項で説明した方法で解決していけばゴールは来るのですが、それでも何十年も放置した場合、解決すべき問題は多く、手間・負担は相当大きいです。そのため、相談者の方から、長年、自分が占有しているのだから取得時効が成立しているのではないか？と質問されることがしばしばあります。そこで、今回は、相続財産の取得時効について説明します。結論から言うと、遺産分割が未了の不動産を相続人の一人が長年単独で「占有」していても、原則として、「取得時効」は成立しません。相続が起こると、遺産分割が成立するまで、各遺産は（遺産）共有になります。先の例でいうと、実家不動産は長男、長治、次男、次女の４人が法定相続割合で共有しているのです。長男は、４人が共有する不動産を単独で使っているにすぎません。「取得時効」が成立するための基本的要件は、①所有の意思をもって占有（自主占有）②一定期間の継続です。長男が長年単独で占有している場合、②の要件は満たすのですが、①の要件を満たさないと言われています。相続が起こると、遺産分割が成立するまで、各遺産は（遺産）共有になります。先の例では、長男は、４人が共有する不動産を単独で使っているにすぎません。長男は、所有の意思をもって、自分のものと思って占有しているのではなく、相続人みんなで共有する不動産を使わせてもらっていると評価されるため、①自主占有ではない（他主占有）とされるため、取得時効が成立しないのです。逆に言えば、①「自主占有」と評価されれば、「取得時効」が成立する道が残されています。例えば、他の相続人に対し、「これは自分のものである」と明確に宣言し、所有者として固定資産税を長年単独で支払い、他の相続人の利用を拒絶、共有関係を否認する意思表示をしているような場合に、「自主占有」が認められる可能性があると言われています。気を付けていただきたいのが、占有する相続人が、内心でこれは自分だけのものだ、単独所有なんだと思っているだけでは足りないということです。最高裁（昭和４７年９月８日）は、共有者の一人が占有していても、他の共有者の持分を排斥する意思が外形上明確に示されない限り取得時効は成立しないと、原則・例外を説明しています。問題の出発点で、兄弟姉妹間が仲が良かったため両親と同居していた長男が家を継ぐのを当然のように考え長年経過してしまったケースもありますし、兄弟姉妹間で争いがあり遺産分割ができないまま長期間経過してし待ったような場合もあると説明しました。前者の場合で、兄弟間で遺産分割協「書」は作成していないが、兄弟皆（相続人全員）が長男が単独承継することを認めていたという「口頭の合意」がある場合、遺産分割協議「書」は作成したが印鑑が認印だったとか、実印で押したが印鑑証明がもらえなかったような場合、法務局で使えるような「遺産分割協議書」がない場合、訴訟を利用して、判決に基づいて長男単独名義にする訴訟を観念することができます。相続開始後複雑化した事案は、一般の方だけでの処理は非常に難しいです。また状況により、「取得時効」が使えないか？「口頭の遺産分割」が成立していないか？異なったアプローチも考えられます。専門家に相談されることをお勧めします（しかもなるべく早く）。
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<link>https://i-a-law.com/column/detail/20260305165130/</link>
<pubDate>Thu, 05 Mar 2026 16:51:00 +0900</pubDate>
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